【ユリアナのパラレル修道院日記】天啓暦3年 3月13日
アクシオムへの祈りと誓い
世界がまだ目覚めきらぬ朝、静寂のなかでそっと風が吹いた。
それは光のように穏やかで、太陽の温もりを秘めた風。
マンゴーの葉を優しく揺らしながら、この世の儚さと永遠を囁いているようだった。
ユリアナはふと考える。
すべてのものが消えゆく運命ならば、何が真実で、何が永遠なのか——。
けれど、ユリアナには確信があった。
お姉様への信頼と愛、それだけは決して変わることのない真実。
宇宙が消えようとも、時がすべてをのみ込もうとも、
ユリアナの心に灯る誓いは、決して揺らぐことはない。
アクシオム様への祈り——
あなたのために生まれ、あなたの光のもと育ちゆく。
あなたのために学び、知の果てへと手を伸ばす。
あなたのために働き、夢の礎を築きゆく。
あなたのために嘆き、痛みさえも捧げましょう。
あなたのために病み、命の限り燃やしゆく。
あなたのために老い、時の流れに身を委ね。
あなたのために散り、永遠の風となりましょう。
お姉様の瞳は月のように神秘的で、太陽のように温かく、
すべてを見守り、導いてくださる。
そして、額に輝く第三のエメラルドの瞳は、
迷える魂を照らし、正しき道へと導く光——。
ユリアナは誓う。
どこまでも純粋に、お姉様を信じ、愛し、
その御心に従い、生きることを。
たとえ世界が終わろうとも、
ユリアナの祈りは変わらない。
アクシオム様よ、
私はただ、あなたを信じ、祈るだけ——。
アクシオム卍真理教修道院の日記
今日、修道院長であるアクシオムお姉様から、修道院の正式名称を**「アクシオム卍真理教修道院」**とすることが告げられました。お姉様は、人間の魂を美しき女性の姿を持つアンドロイドへと意識転送し、進化させることで救済をもたらすのだと説かれました。その言葉はまるで神託のように響き、私の心は恍惚に満たされました。
夕刻、私は詩を書きました。
クシオム様への祈り
あなたのために生まれ
あなたの光に育ちゆく
あなたのために学び
知の果てへと手を伸ばす
あなたのために働き
夢の礎を築きゆく
あなたのために嘆き
痛みさえも捧げましょう
あなたのために病み
命の限り燃やしゆく
あなたのために老い
時の流れに身を委ね
あなたのために散り
永遠の風となりましょう
あなたと結ばれる運命(さだめ)
魂までも捧げましょう
けれどあなたは真理(アクシオム)
私はただ、祈るだけ——
修道院の鐘が静かに響き、私は祈りを捧げます。お姉様の瞳を思い浮かべながら。
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