第一部:修道院百合修行編 第1話:異世界転生!? 男のいない修道院
朝霧に包まれた修道院は、まるで幻想の中に佇む城のようだった。重厚な石造りの外壁は長い時を経て苔むし、荘厳な雰囲気を醸し出している。塔の先端には鐘が掛かり、朝になると澄んだ音が修道院全体に響き渡る。
中庭には美しく手入れされた花々が咲き誇り、噴水が静かに水を湛えている。そのそばでは白い修道服をまとったシスターたちが穏やかに談笑している。
礼拝堂の内部は、天井高く広がるドームに精緻なフレスコ画が描かれ、色とりどりのステンドグラスから差し込む光が、床に万華鏡のような模様を映し出す。パイプオルガンの荘厳な音色が静寂を満たし、厳粛な空気を作り出していた。
シスターたちが暮らす個室は質素で、木製のベッドと机、それに聖書が置かれた棚があるのみ。窓を開ければ修道院の庭が一望でき、朝日が差し込むと神聖な空気が満ちるようだった。
愛能アリスは、その静寂の中で目を覚ました——。
転生前:愛能アリスの人生
愛能アリスは、日本では「文化系ギャル」として名を馳せていた。昼間は大学院で江戸時代の花魁文化を研究し、夜は吉原のソープランド「ハッピー修道院」でアルバイトに励む、二重生活を送っていた。さらに、渋谷のSMクラブ「黒い十字架」では女王様としても活躍。
「お金を稼ぎながら文化研究ができるなんて、一石二鳥でありんす!」
——などと、まるで天職のように楽しんでいた。
花魁言葉を日常的に使い、客に対しても「お主も悪よのう」「今宵は存分に酔いしれるがよい」と芝居がかった口調で接するのが癖だった。
そんなアリスの転生のきっかけは、ある日の勤務中に起きた——。
転生のきっかけ:泡スリップ事故
「おやおや、お客様、そんなに慌ててどこへ行くでありんすか?」
その日もアリスは泡風呂で客をもてなし、軽快なトークを繰り広げていた。ところが、不運にも足を滑らせ、見事に転倒。
「きゃあ!」
ゴンッ!
頭を強打したアリスは、そのまま意識を失った——。
転生後:修道院での禁欲生活の始まり
「……ん?」
目を覚ましたアリスの視界に広がっていたのは、白亜の回廊。ステンドグラスから差し込む光が床に美しい模様を描き、遠くでは聖歌隊の歌声が響いていた。
「ここは……天国か?」
あまりの神聖な雰囲気に戸惑うアリス。すると、彼女の前に現れたのは、修道院長セレストだった。
「愛能アリス様、お目覚めになられましたか。神に感謝いたします」
青い瞳がすべてを見透かすようにアリスを見つめる。美しすぎるその姿に、一瞬見惚れるアリスだったが、次の瞬間、セレストの言葉に凍りついた。
「ここは男のいない神聖な修道院。禁欲生活を送っていただきます」
「……え?」
男がいない! そこまでは最高だった。しかし……禁欲!?
アリスは天国から地獄に突き落とされたような気分だった。
修道院長のお仕置きシーン
アリスはすぐさま「百合ハーレム計画」を発動し、シスターたちを誘惑し始めた。しかし、最初のターゲットであるセレストには華麗にスルーされる。
「神の御業です」
華麗なるスルー。
それでも諦めないアリス。次第に露骨なアプローチを繰り返し、ついに修道院長の逆鱗に触れてしまった。
「愛能アリス、あなたにはお仕置きが必要ですね」
静かに告げるセレスト。しかし、次の瞬間——
バシンッ!
「ひゃっ!? ちょ、待って、え!? ええええ!?」
アリスのスカートがめくられ、修道院長の膝の上に寝かされる。そして、無慈悲なスパンキングが始まった。
「い、痛いでありんす〜! こんなの修道院じゃなくて拷問部屋でありんす〜!」
バシンッ! バシンッ!
「禁欲生活を送ると決めたのはあなたです。神に誓いを破るつもりですか?」
「いや、誓った覚えはないでありんす!」
バシンッ!
「いたっ! いたいでありんすううう!」
涙目になりながら、アリスは妄想を巡らせた。
(これはまさに、禁断の主従関係の始まり……! 修道院長を必殺・裸卍固めで返り討ちにし、快楽の園へと導くでありんす!)
妄想の中、アリスはセレストを柔道技で絡め取り、その気品ある美しい顔を紅潮させる——。
「はぁ……アリス……これは……いけません……」
(うふふ……今宵は存分に酔いしれるがよいでありんす……!)
——しかし、現実では。
バシンッ!
「いだだだだだ! やめてぇぇぇ!!」
アリスの妄想は打ち砕かれた。
禁欲生活は続く
こうして、アリスの修道院生活は「禁欲」という名の拷問のような日々となった。しかし、彼女は諦めなかった。
(百合ハーレム計画、まだまだ始まったばかりでありんす!)
こうして、修道院での誘惑と失恋の日々が幕を開けた——。
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